【WheeLog!1分インタビュー⑦・台湾在住ホテル勤務・Yuichiさん】

WheeLog!についてヘビーユーザーの皆様にインタビューに答えていただきました。7回にわたり公開させていただきます。
http://www.wheelog.com/hp/project/interview

今回は、歩ける人Yuichiさんです。インタビューでは語りつくせなかった思いの丈を、長文寄稿してくださいました!

【バリアフリーマップアプリ WheeLog!でインタビューを受けました!】

私はいまでこそ心身ともに健康に暮らしていますが、一時期、精神的な病気になって治療が必要な期間がありました。その間、自分が病気であるという現実を受け入れること、家から出られないこと、健康な人と比べてしまうこと、周りの目が気になることなど、さまざま経験してきました。もちろん、身体と精神では状況が大きく異なりますが、車いすユーザーの方も少なからずこのような経験をされてきているのではないでしょうか。

なので、WheeLog!の存在を知った時に、自分がたくさんバリアフリー情報を投稿することで、昔の自分のように外に出られない人の後押しが、気持ちの部分だけですが、少しでもできたらいいなと思いました。

軽い気持ちで始めたWheeLog!でしたが、いつしかバリアフリーというものの奥深さにハマっていきました。いま私は台湾の台北で暮らしているのですが、台北の街は意外とバリアフリーが整っています。これはWheeLog!を始めてバリアフリー情報を投稿する中で気づいたことです。今まで目に入っていたのに気づいていなかったのですね。

健常者の多くは以前の自分と同じだと思います。友達にここバリアフリーだよと話しても気づいていないことがほとんどです。WheeLog!を通して自然とバリアフリーの目が養われていったのだと思います。なので、もっと多くの健常者の方にもWheeLog!を使ってほしいなと思います。

いまは日本のユーザーがほとんどで、実際に自分の投稿を見てそのスポットを利用する人がいるかわかりませんが、アプリの中で台湾の投稿を見て、車いすでも海外に行けるかも?と希望をもってもらえたら、それだけでとてもうれしいです。もちろん投稿をみて実際に台湾に来ていただければ、あちこちガイドします(笑)

昔、病気で何もすることができず、無力感と失望感にさいなまれていた頃を思えば、こうして誰かに役に立てるということは、とてもうれしいことなのです。私がWheeLog!をやるモチベーションはおそらくここにあるのだと思います。人の役に立てるってとても幸せなことです。

これからも、フットワークの軽い自分がたくさん台湾のバリアフリー情報を投稿することで、車いすユーザーさんの希望につながるような投稿を続けていきたいと思います。みなさまぜひ車いすでも台湾へお越しくださいませ。

(ここからは、少し台湾のバリアフリー事情を…長くなります…興味のある方だけお進みください)

意外かもしれませんが、台湾は日本よりもバリアフリーが発達しています。なぜそう言い切れるかというと、日本よりもはるかに多くの車いすユーザーさんを街中で見かけるからです。

地下鉄のホームはフラットで単独乗降ができるので電車に乗れば車いすを見かけるし、私が働いているホテルのレストランには、地元の方が毎日のように車いすのおじいちゃん・おばあちゃんを連れて家族で食事に来られます。ストレッチャータイプの大きな車いすで来られる常連さんもいます。

また、台北市内はコンビニがそこら中にあるのですが、ほぼ全てのコンビニの入り口が段差解消されています。いちいちスポット投稿していたら、コンビニばかりになってしまうので、途中から投稿するのをやめました(笑) また、段差になっている入り口に「服務鈴」という係員呼び出しボタンがあるお店もあります。

このように、台北は意外とバリアフリーな街です。もちろん台北にもバリアはたくさんありますが、ハード面で日本よりも整っていると感じます。

そして何より一番大きく違うのは「人」だと思います(あくまで個人の感想です)。困っている人がいたら手助けする人が多く、見て見ぬ振りをする人はほとんどいません。これは人としてとても当たり前のことですが、その当たり前のことが当たり前にできている台湾の社会はステキだと思います。

例えば、バスや電車の優先座席は空けておくのがルールです。最近は少しモラルが崩れてきていますが、それでも座っていても必要な人が来たらすぐに席を譲ります。気づいていなかったら周りの人から譲りなさいと言われます。なぜならそれが社会のルールだからです。日本であれば、もしかして内部疾患かも。。。と躊躇するかもしれませんが、台湾では良くも悪くもあまり深く考えません(苦笑) それに内部疾患だったら本人がそう主張するかもしれませんね。

また、例えばバスで車いすの対応で時間がかかってしまうと日本人はすぐイライラしますが、台湾ではのんびりその対応を待っています。たかが1~2分で終わることですから。こういう部分は文化・民族的な違いがあるので、一概に日本と比べることはできませんが、難しいこと考えないで、日本ももっとシンプルに素直にやればいいのに、と思ってしまいます。

このように、ハードの面、そして人の面がしっかりバリアフリーになってはじめて社会全体にバリアフリーが浸透するのかなと、台湾の街を見ていて思います。今後も技術の進歩や様々な取り組み、そして人の力によって、日本、アジア、そして世界のバリアフリーが発展することを願います。そして、WheeLog!がその発展に貢献できるアプリとなることを願っています。

Shot by Hiromi Suzuki
Illustrated by Rie Hashinaga
Edited by Yuriko Oda

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