WheeLoggersのmasayoさんが中心となり、WheeLog!バリアフリー調査をしてきてくれました。今回はそのご報告です。読み応え抜群です。

WheeLoggersの意見を少しでも反映してくださることにより、キャンプをはじめとするアウトドアを今まで諦めていた方々が楽しめるようになれば、これほど嬉しいことはありませんね。

 

WheeLog!のネットワーキング(人と人とのつながり)から誕生した活動

masayoこと荒井雅代です。2018630() nagaseaさん、kumachanさん、Hiromi Suzukiさん、hatakeyamaさん、私の5人のWheeLoggers(ウィーロガーズ)でツインリンクもてぎを訪問いたしました。狙いは「車椅子の子どもたちの学びの機会づくり」につなげるための現場調査です。施設スタッフの方に車椅子での移動について知ってもらうことを目指しました。

はじまりは日比谷の街歩きイベント

今回報告する活動は、同年55() WheeLog! in日比谷」の街歩きイベント(https://www.wheelog.com/hp/archives/2631)でnagaseaこと東京都立大泉特別支援学校校長 永島崇子さんとの出会いからはじまりました。先生と私は同じグループで、このグループは「2020年オリパラの舞台であるお台場の現状の交通環境を調査する」というサブミッションを掲げ、スポーツ観戦等のリアリティを追求するために大人のおやつ(ビール)を飲みながら調査を行い有益な情報を収集する一方で遅刻記録を更新しました。

WheeLog!の調査会はとにかく楽しい!楽しい人たちと出会える。私は、WheeLog! 活動の成果のひとつに「ネットワーキング(人と人とのつながり)」があると考えます。WheeLog! 活動で知り合った多様な背景を持つ人々とのネットワークを通して、向き合っている課題解決のアイディアを見つけたり、気がつかなかった視点をもらえたりできます。

今回のツインリンクもてぎ訪問もこのネットワーキングから誕生いたしました。

 

特別支援教育を必要とする子どもたちが学ぶ機会

永島先生は、子どもたちの学びについて次のように語られました。

私の勤務する東京都立大泉特別支援学校は、肢体不自由の子どもたちが通う学校です。特別支援学校はバリアフリー化がすすんでおり、子どもたちが学びやすい環境が整っています。一方で障害の重度化・多様化が進んでおり、本校に限らず、泊を伴う移動教室や修学旅行の行き先の選定には苦労が絶えません。新幹線の利用に挑戦してきた時期もありましたが、台数が多いため旅行会社や鉄道会社との交渉もなかなかうまくいきません。全国もそうですが特に東京はNICUの増設や新生児救命救急医療の進展に伴い、医療デバイスを活用する子供たちも増えてきて、更に多様化が進んでいます。観光バスなどを借りて移動するにしても、駐車場の確保や長時間の姿勢保持等が難しいなどの課題があり、近接地を選定せざるを得ない状況です。普通の高校生が飛行機で海外研修に出る時代に、関東から出ることが難しい状況がそこにはあります。

 

多彩な体験ができる参加型多目的施設「ツインリンクもてぎ」

私は、移動等の問題を解決し、子どもたちの学びの機会を増やすことができないかを考えていると、ふと「ツインリンクもてぎ」という場があることに気がつきました。ここなら大型バスの駐車場問題は解決され、またバリアフリートイレも整備されています。

なぜならツインリンクもてぎは、さまざまなタイプのレーシングコースを持つ施設です。MotoGPなどの世界のトップレースを観戦して、そのスピード感や迫力を全身で感じとることも大きな魅力のひとつとなっています(http://www.mobilityland.co.jp/company/motegi/)。

その中にハローウッズの森があります。ここには人間が持つ本能や感性を引き出し体験を通して、一人ひとりの感動や知恵といった宝物を発見していく「仕組み」があります(http://www.twinring.jp/hellowoods/concept/mechanism.html)。

多彩な体験ができるツインリンクもてぎという場を車椅子の子どもたちの学びの場として利用できないか、そんな思いで永島先生をお誘いして現場調査に向かいました。

 

現場調査結果

現場調査をするにあたりリアル車椅子ユーザーの協力が不可欠です。そこで3人の精鋭たち(kumachanさん、Hiromi Suzukiさん、hatakeyamaさん)にご協力していただきました。彼らは、①バリアのある環境でも工夫して楽しむことのできる知恵があること、②論理的かつ具体的に改善点を説明できること、③損傷している部位が近いが三者三様であること、特に3つ目は施設スタッフの方に車椅子ユーザーの幅広さを感じてもらえたと思います。

11時に現地集合し、まずは森と星空のキャンプヴィレッジ内のグランピングエリアを調査いたしました。

最初にトイレ。

https://app.wheelog.com/map/custom/admin/map?spotId=10127

次にテント上がり口の段差解消方法についてスロープを使って検証しました。簡易スロープの長さは165cmで介助前提の勾配となります。キャンプ区画サイズが決まっていますので、スロープが長くなりすぎても逆に利用しづらくなります。スロープを設置できる場所はテント正面のみであることを確認した上で、車椅子ユーザー視点から改善点を提案いたしました。

・正面の支柱は外せますか?

・スロープのぼり口の草の中に危険がある。このような穴に気がつかない。

・この草はカットしてもらえるのですか?

・私スロープなくてものぼれます。

・それ普通じゃないから(笑)

 

お昼はレーシングコースへ移動。パドック内にあるカフェレストラン・グランツーリスモカフェで休憩。ここはカフェテリアですので食器の持ち運びには工夫が必要ですが、椅子は可動式です。またパドック内にもバリアフリートイレが整備されています。

 

涼しい空間で体を休めた後は、メインイベントである「ハローウッズの森を車椅子でどこまで制覇できるか」を調査いたしました。

緊急車両通行用の舗装路(通常一部閉鎖)を利用してアカネズミの広場近くまで自分たちの自動車で移動しました。自動車からおりて車椅子でハローウッズの森へ!通常は施錠されている扉を開けてもらい木陰が涼しくて気持ちよい森の空間に入りました。

どんぐりの木々に囲まれるアカネズミの広場と森の中で一番高いクヌギやコナラの樹に囲まれるカブトムシの丘にて車椅子でも走行できる路面について意見交換を行いました。

・土むき出しの方が走行しやすいが、ウッドチップの状態がこのぐらいしまっていたら走行できる。ふかふかしている状態は介助付きでも走行しづらい。

・階段の1段の幅が車椅子1台分あれば介助付きで上り下りできる

・飛び石は走行しづらい、バランス崩すので危険

など、実際の路面状況を示しながら説明。

 

どんぐりの森から生まれた木人(こびと)との記念撮影スポットの1つキツツキのテラスにて休憩。この場所は眺めもよく風が心地いいです。

・ここは柵がないと落ちちゃうね。

・ここから落ちてみんなで車椅子ユーザーになろう

・ここでビール飲みたーい

などブラックネタも入れながら談笑。

 

ゴールは、どんぐり広場

ここにもたくさんのテント。中央には焚き火が行えるスペースありました。ここの芝生は車椅子でも走行しやすいようでした。

 

チャレンジのはじまり

ツインリンクもてぎ内のキャンプ場とハローウッズの森をまわり、この場を車椅子の子どもたちの学びの機会のつくりにつなげていくことが出来るか、車椅子ユーザーだから気がつくことについて意見交換を行いました。

「車椅子ユーザー80人いたら、その80人のすべてタイプ違う」、「どのような改善が必要か」・・・・

「まずはハローウッズの森でキャンプをしてみませんか!」このキャンプを通して改善点やどのような備えが必要かを知ることができる、また施設スタッフの車椅子の理解も深まる機会になります。まずは体験して互いに考えることを最初の一歩といたしました。

今回の現場調査で永島先生が感じ取られたことは次の通りです。

特別支援教育を必要とする子どもたちが、よりアクティブにこの森で遊ぶためには、やはり一定のバリアフリー化は避けて通れない課題です。しかし、全面でなくていいのです。「小径(コミチ)」があれば、選ぶことができます。車いすの形も様々だし、装備している医療デバイスも様々なので、遊び方や動き方を本人が、家族が選べること、そして介助者やボランティアが支援できることが重要だと考えます。

 

医療デバイスについては、様々な意見があると思いますが、電源の確保や補助充電池の持参の問題などとにかく持ち物が多くなることでの「旅へのあきらめ」が子供の成長とともに頭をもたげてくると聞いたことがあります。もし仮に、キャンプ場にコンシェルジュがいたとして、ツインリンクもてぎのある地域や自治体に関わりのある訪問看護ステーションや社会福祉法人、在宅訪問医療専門医等との連携ができるなら、本人と介助者やボランティアだけのキャンプも夢ではなくなるかもしれません。そんなことを感じた今回の現地調査でした。ちなみに帰りはBプランの公共交通機関を試してみましたが、バスで宇都宮駅まで約2時間はちょっと長いかもしれませんね。

 

おわりに

崎野さんは、将来的に車椅子ユーザーもいつでも好きなときに訪れることのできる場を目指したいが、現状は通路の一部に通行制限があるなど受入準備が必要なことから来場されるときは事前にご連絡いただきたいとおっしゃっていました。また体験プログラム内容についてもご相談に乗っていただけます。ご利用される際は、事前のご連絡よろしくお願いいたします。

より多くの車椅子ユーザーがツインリンクもてぎに遊びに行くことで、この場がさらに改善されていくことを願います。

なお、今回は時間の関係で調査いたしませんでしたが、敷地内にホテルもありますので自分の好みで宿泊スタイルを選ぶことができます。

お忙しい中ご協力いただきました、株式会社モビリティランド ツインリンクもてぎ ハローウッズ 森のプロデューサー崎野隆一郎さん、ホテル課キャンプヴィレッジ担当 仲山将弘さん本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

最後に、今回の調査を通して施設のスタッフの方々の「すべての人にこの場を楽しんでもらいたい」という気持ちが伝わってきました。余談ですが仲山さんは四葉のクローバーを見つける特技をお持ちです。これがかなり女子うけするらしいです。伝授を希望される方は電話でアポイント取ってください。

 

 

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