(3 of 3)WheeLog! の基本コンセプトと「走行ログ」

CTOの伊藤(島根大学)です。
3日連続で『WheeLog! の基本コンセプトと「走行ログ」』と題した記事を掲載します。今回は3日目。「今後のWheeLog!」 について取り上げます。

第3回 今後のWheeLog!

WheeLog! のコンセプトは「テクノロジーで世界をよくする」を中心に据えています。これだけでは,バリアフリーマップアプリとしてはあまりにも抽象的すぎます。当然ながら,実用アプリとして機能を構成するには,機能を具体的に考えて実装する必要があります。WheeLog! は,世界をよくするアプローチとしてたくさんのバリア&バリアフリー情報を共有化&可視化します

そのためにどうするのか?第2回では人間の欲求について述べました。やはりこの考え方が重要です。私たちは誰かに認めてもらいたいし,そのためにアピールできる場を常に求めています。それができる環境を提供すれば,結果的にWheeLog!が目指すゴールに近づけるはずです。

ぜひ,2015年に作成したWheeLog! の原型となる仕様書(WheeLog_Draft_20150801.pdf)をご覧ください。現在のアプリに実装されていない機能がいくつもありますが,おおむね実現しています。参考にした同類のシステムなども紹介しているので,バリアフリーマップに興味がある人には参考になるかもしれません。

さて,健康な人であれば,仕事であったりボランティア活動であったり,はたまたスポーツで活躍することだったりします。車いすユーザーの場合,どうしても社会活動に制限がかかりやすいもの。しかし,WheeLog! でのバリア&バリアフリー情報の収集や走行ログの記録は,車いすユーザーだからこそできることが多いのです。走行ログについては,車いすユーザーの特権!

各種情報の投稿の動向は,SNS的にタイムラインにてリアルタイムで確認できますし,プロフィール画面で投稿ステータスが閲覧できます。さらには,月例でランキングの発表もあります。ユーザーの活躍が(ある程度)定量化されるようになっているのです。そして,ユーザーは,ある時は情報提供者としてある時は利用者として,両方の役割が演じることができます。それが WheeLog! の世界です。このように相互関係がうまく織りなされることで,自律的に情報が共有化され可視化されていく土台が形成されていきます

 

WheeLog! アプリにはゲーミフィケーションを取り入れて,少しでも楽しく続けられるような仕組みにしています。少なくともそれを目指しています。ゲームのストーリーとしては,石を集めて磨いていき,それらすべてを宝石にするというものです。地味ですかね。。。

マイスターが研磨することで輝く「宝石」たち。
もし、バリアフリー情報の「原石」を磨いて「宝石」にする、
そんな腕利きのマイスターがこの世に増えたら?

どんなに美しい「宝石」でも「原石」を探すところからはじまります。
しかし、今はその「原石」さえも足りません。
まずはバリアフリー「原石」集めてみませんか?

お手元のスマホで、誰でも簡単にはじめることができます。
やがてはあなたもWheeLog!マイスターに。
バリアフリー「宝石」溢れる世界へと、みんなで変えていきましょう!

ミッションとしては以下です。ヘビーユーザーで約2年はかかるものとしています。ただし,数値は場合によって変更になる可能性があります。

称号はふざけた名前ですが。。。

  • 駆け出しのマイスター1~5級
  • 普通のマイスター1~5級
  • 伝説のマイスター1~5級
  • 全て最上級になれば,WheeLog!マイスター

初のWheeLog! マイスターはいつ生まれるでしょうか。

 

ところで,ユーザーの相互関係をうまく応用して,世の中で最もうまく回ってるサービスとしては Yahoo!知恵袋が挙げられます。どんなに頑張って質問に回答しても,現実社会で使えるお金にはなりませんが,実に多くの人が熱心にかつ親身になって回答しています。回答してベストアンサーがもらえれば成績が一層よくなり,コミュニティに貢献した実績としてポイントが加算されます。そのポイントは自分が質問するときに使えます。Yahoo!知恵袋の中では,貢献したポイントが一種の通貨として使われ善意を軸とした経済活動が営まれています

 

人間は根源的に誰かの役に立ちたいと思っているものです。それが承認欲求を充足し,より高次元の自己実現につながります。回答者はそれを意識的やっているのかはわかりませんが,結果的には実にうまくサービスが動いています。

このモデルは,WheeLog! の中ではリクエスト機能として実装されています。ただし!ポイント制の導入を延期したことや,まだ馴染みの薄い機能であるため現状はうまくまわっていません_| ̄|○

ポイント制の大きな問題点は,チート行為を誘発するということに他なりません。つまり,ズルをして多くのポイントを稼ごうとする人がでてきてしまうのです。それを防ぐのけっこう大変であり,少数の悪意のある人のために多大なコストが必要になってしまいます。ですから,現行バージョンではポイント制を導入できず,リクエスト機能もうまくまわっていないと考えられるのです。

一方で,操作性の問題など根本的に改善しなくてはならない部分も残されています。ユーザーのみなさんや最新の技術をウォッチしつつ「テクノロジーで世界をよくする」を実現できるようにしていきたいと考えています。

今年度中にWheeLog!アプリはより使いやすくなって再登場します。主な新しい機能は以下です。

  • 誰でもスポットに新しい写真を追加可能!
  • オープンデータのインポート
  • つぶやきへの返信
  • 走行ログの正しい積算距離表示
  • その他バグ修正 など

ゆくゆくは以下のような機能も実現していたいと考えています。

  • 誰かのスポット投稿に対して「行った!」を記録
  • 地下街や複数階ある建物への対応
  • 路面凹凸情報の収集と可視化
  • 屋内ビーコンへの対応
  • AR/VR との連携
  • その他

おかげさまで想定よりも早いペースで普及が進んでいます。今後ともよろしくお願いいたします。

追伸
WheeLog! メルマガを開始しました。開発裏話のコラムを掲載していますので,ぜひメルマガ会員になってみてください。プロフィール画面で設定できます。

 

伊藤史人
2018年2月18日
島根大学の研究室にて

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